請求事例８
希望の光を見出した斎藤家の物語 ー 札幌障害年金相談センターの支援を通じて
「もう諦めかけていたんです…」 斎藤信夫さん（仮名）のお母様は、涙を浮かべながら当時を振り返りました。
精神発達遅滞と診断された息子さんの障害基礎年金が不支給となり、途方に暮れていた時のことです。 19歳でパート就労を始めた信夫さん。
20歳の誕生日を迎えた直後、ご両親は障害基礎年金の申請を行いましたが、その結果は厳しいものでした。提出した診断書には確かにIQ66という数値が記されていましたが、日常生活における実際の困難さが十分に表現されていなかったのです。
そんな中、一筋の光明として札幌障害年金相談センターの門を叩きました。
センターでは、信夫さんの状況を丁寧に聞き取り、これまでの経緯を一つ一つ確認していきました。 特に注目したのは、母親が大切に保管していたWAIS-R知能検査の結果でした。 「私たちにできることは、真実を正確に伝えることです」と、センターのスタッフは謙虚に、しかし確信を持って語りました。 動作性IQと言語性IQの大きな差異が、信夫さんの日常生活における困難さを裏付ける重要な証拠となったのです。
センターの支援のもと、13ページにも及ぶ詳細な生活状況の記録が作成され、医師との再相談も実現。 そして驚くべきことに、20歳時点まで遡って2級の障害基礎年金が認定されたのです。
「本当に諦めなくて良かった」と、喜びの表情を見せる斎藤家の皆さん。
札幌障害年金相談センターは、この結果に安堵しながらも、「これは私たちの仕事として当然のことです」と静かに答えるのでした。 一つの診断書の向こうに、人生を左右する大きな希望があることを、この事例は教えてくれています。
請求事例９
絶望から希望へ ー 札幌障害年金相談センターの支援記録
「もう道はないと思っていました…」。
当センターに初めて来所された方は、深いため息とともに語り始めました。
2年前の不支給決定、そして再審査請求も退けられ、将来への不安を抱えての来訪でした。 幼い頃から計算が苦手で授業についていけない日々。高校卒業後は事務職に就くも、仕事を覚えられず、ミスを重ねての退職を繰り返してきました。 結婚後も、育児や家事の困難さから精神的な負担が増し、最終的に知的障害とうつ病の診断を受けるに至りました。
当センターでは、まず前回の不支給原因を丁寧に分析させていただきました。 療育手帳B2とはいえ、実際の生活では調理器具の使用も困難で、一桁の計算しかできないなど、支援なしでは日常生活が立ち行かない状況が見えてきました。
「私たちにできることは、この現実を正確に伝えることです」。 医師への詳細な情報提供と、きめ細かな生活状況の記録作成に取り組みました。 前回の申請書類との整合性にも配慮しながら、実態に即した申請書類を作成していきました。 その結果、障害基礎年金2級の認定を受け、年額約123万円の受給が可能となりました。
「これで少し先が見えてきました」。
安堵の表情を浮かべる依頼者の方を見送りながら、 私たちは改めて支援の大切さを実感したのでした。
請求事例１０
希望の一歩 ー 札幌障害年金相談センターの支援を通じて
「息子は一生懸命働いています。でも将来のことを考えると…」
20歳を目前に控えた息子さんを持つお母様が、不安な表情で札幌障害年金相談センターを訪れました。
知的障害があるものの、障害者雇用で立派に働く息子さん。しかし、その真面目な姿勢とは裏腹に、将来への不安は尽きませんでした。
障害年金の手続きの複雑さに戸惑うお母様に、センターのスタッフは静かに寄り添います。「私たちにできることから、一つずつ進めていきましょう」 先天性の精神遅滞による申請は、出生時からの詳細な記録が必要です。
センターでは、お母様の記憶を丁寧に紡ぎ出し、20年の歳月を丁寧に文書化していきました。また、普段は受診の必要がない息子さんの状況を医師に正確に伝えるため、日常生活の様子を詳細に記録。 その結果、障害基礎年金2級、年額約80万円の受給が認められました。
「これで息子の将来に、小さな安心が持てました」というお母様の笑顔に、私たちも心から安堵いたしました。
地道な努力を続ける若者とその家族の未来を、少しでも支えられることに、センターとしての使命を改めて感じる事例となりました。
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