1,知的障害における障害年金の申請する為の前提条件
知的障害のある方の年金受給については、一般的な申請条件とは異なる独自の基準が設けられています。
知的障害の場合、生まれつきあるいは成長期の18歳までに発症する特性があるため、初診日や保険料納付要件の確認は不要という扱いとなります。
年金受給の可否判断では、認定された障害基準への該当性のみが審査対象となります。 この基準に照らし合わせて、支給の決定や等級の認定が行われることになります。
2,知的障害に関する年金受給の認定基準について
知的障害のある方への障害年金は、症状の程度に応じて3段階の等級が設定されています。生まれつきあるいは幼少期からの障害という特性により、障害基礎年金が利用できる障害年金制度となります。
以下の表で、等級別の認定基準をご説明します。
等級 | 障害の状態 | 年金支給 |
障害等級1級 | 日常生活全般で全面的な援助が必要で、会話による意思疎通が無理な状態 | 支給対象 |
障害等級2級 | 基本的な生活行為に援助が必要で、簡単な会話のみ可能な状態 | 支給対象 |
障害等級3級 | 就労に配慮した制限がある状態 | 不支給 |
障害認定では、知能指数だけでなく生活全般における支援の必要性を総合的に評価します。評価のポイントは以下の通りです。
- 身体機能と精神機能の両面から社会適応能力を評価する
- 他の精神疾患との併存時は、全体的な症状を見て判断する
- 就労状況は、職場での支援や対人関係なども含めて慎重に評価
就労支援施設での作業や一般企業での就労実績は、そのまま生活能力が向上したとは見られません。職場での助言内容や周囲とのコミュニケーション状況なども含めて、総合的な判断が行われます。
3,精神の障害に係る等級判定ガイドライン
「精神の障害用」の診断書が、知的障害による障害年金の申請に必要となります。 2016年9月から適用されている『精神の障害に係る等級判定ガイドライン』は、診断書裏面に記載される以下の2つの評価項目に基づいて等級を判定します。
- 日常生活の能力の判定
- 日常生活の能力の程度
以下の診断書の例を参考に、具体的な判定基準をご確認ください
××××××
精神障害用の診断書 裏面の記入例
診断の各項目を以下のように評価した場合
- 日常生活能力の判定平均値:(2+1+4+3+3+3+3)÷7=2.7
- 日常生活能力の程度:(3)
この評価結果から、障害等級は「2級又は不支給」が目安となります。
以下が診断書裏面の具体例です。
日常生活能力は以下の7つの観点から評価されます。
評価項目 | 内容 |
(1)適切な食事 | 準備から適切な摂取まで |
(2)身辺の清潔保持 | 清潔さと居室の整理 |
(3)金銭管理と買い物 | 家計運営と買い物能力 |
(4)通院と服薬 | 残りと服薬の自己管理 |
(5)対人との意思伝達および対人関係 | コミュニケーション能力 |
(6)身辺の安全保持及び危機対応 | 安全確保と緊急時対応 |
(7)社会性 | 公共施設利用と裁判能力 |
各項目は4段階で評価され、その平均値と総合的な生活能力から等級が判定されます。 なお、最終的な等級判定では以下の要素も重要な判断材料となります。
- 発達歴と療育手帳の情報
- 知能指数を含む症状の状態
- 治療や支援の利用状況
- 生活環境と必要な援助の程度
- 就労状況における詳細な配慮事項
就労している場合でも、支援体制のプレゼンテーションや業務内容、職場でのコミュニケーション状況など、現場に即した総合評価が行われます。
4,知的障害の障害年金申請における手続きの手順
障害年金の申請では、以下の段階を順番に進めていく必要があります。
- 医師による診断書作成 医療機関で精神障害用の診断書を作成してもらいます。日常生活能力の判定など、詳細な医学的な所が記載されます。
- 生活状況の証明 病歴や就労状況を詳しく記載した申立書を作成します。これまでの生活環境や支援状況を具体的に記載することが重要です。
申請に必要な関連書類の準備
- 療育手帳(お持ちの場合)のコピー
- 年金手帳や基礎年金番号通知書
- 戸籍謄本と住民票
- 参考資料
申請書類の提出
手続きが 必要な書類一式を年金事務所または市区町村の窓口に提出します。書類に備蓄がないか、事前に確認することをお勧めします。申請から認定までには一定の期間を要しますが、手続きの進め方がわからない場合は、年金事務所の窓口で相談することができます。
5,知的障害における年金申請時の重要ポイント
診断書における生活状況の正確な 医師による反映診断書作成では、日常生活能力の正確な評価が許容重要です。 一人暮らしを想定した場合の自立度を基準に、以下の点に注意して記載をして貰いましょう。
- できることとできないことを冷静に整理
- 日常的な支援の必要性を具体的に説明
- 必要に応じて生活状況をメモして提案
申請における特例事項
- 保険料納付要件の適正生来の障害という特性により、保険料納付履歴は問題となります。
- 今後の取り扱い先天性または18歳までに発症する障害のため、出生日が正式日として考慮され、認証は不要です。
申請時期と必要書類
申請時期 | 診断書状態記載期間 |
20歳到達時 | 20歳前後3か月以内 |
20歳以降 | 申請前3か月以内 |
その他の重要事項
- 療育手帳は参考資料として扱われ、必須書類ではありません
- 生育歴や教育歴などの客観的な事実も判断材料となる
- 診断書取得には事前の通院と生活状況の説明が必要です
事前準備のポイント 診断書作成には医師と洞察関係が重要です。申請を検討される場合は、早めの参加開始と継続的な通院をお勧めします。
6,知的障害による年金の認定事例について
障害年金の申請手続きは複雑で専門的な知識が必要となる場合があります。以下のような支援体制を活用することで、スムーズな申請が可能です。
専門家による支援の特典
- 申請書類の正しい作成方法のご案内
- 診断書記載における重要ポイントのアドバイス
- 認定基準に沿った資料の準備方法
- 手続き全般のサポート
社会保険労務士への相談
社会保険労務士は年金申請の専門家として、以下のようなサービスを提供します。
- 申請要件の確認
- 必要書類の準備のサポート
- 申請手続きの代行
- 認定までのフォローアップ
個別の状況に応じて、専門家による支援を検討することで、より確実な申請手続きが可能となります。 不安な点がある場合は、早めに専門家への相談を検討することをお勧めします。
7,知的障害による年金申請のまとめ
知的障害における年金申請は、個人の状況に応じた丁寧な対応が必要です。申請手続きの負担を軽減するため、専門家による支援を積極的に活用することをお勧めします。
以下のような場合は、特に専門家への相談が有効です。
- 申請要件や手続きの流れがわからない
- 診断書記載内容に不安がある
- 必要書類の準備方法がわからない
- 年金事務所とのつながりに不安がある
《問合せ先》
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